出願商標が公開されました

当事務所が自力出願しております出願商標(こころの遺言相続:商願2021-141229)が、J-Platpat上でも本日公開されました。

ここで突然の言い方にはなりますが、『商標なんて(お金出して、わざわざ)出願しても意味(≒売上増)ないでしょ』、『オタクの行政書士事務所、今年開業した事務所なのに、なんで商標出願なんかするわけ・・・?』と思われる方も、もしかしたら、いらっしゃるかもしれません・・・。

まぁ、商標権を得るということについて、ビジネス上の善し悪しを申し上げることは当職からはいたしませんが(どこまでいっても、純粋に法律上の効果が出る、としか言えませんので)、仮にそういった感想をお持ちになったのだとすると・・・、ある程度、おっしゃりたい気持ちは理解いたします。

商標の詳細については特許庁ホームページ等をご覧いただくとして、当職がなぜ今回(こころの遺言相続:商願2021-141229)をしようかと思いました点を、以下ご説明しようと思います。

行政書士のサービスではなくて、行政書士本人(≒行政書士事務所の屋号)に関する商標出願は、実は、それほど多くもないのかな・・・とは思っております。

それは、商標出願までせずとも、そもそも行政書士事務所とは、比較的、地域に密着した法務サービスの提供をする方向性だと思っておりますので、それほど気にするようなものでもない、という話もあるからなのかもしれません。

それから、行政書士会入会時に、類似事務所名の有無はチェックされますので、例えば、近接した場所に同一名称の行政書士事務所名称を掲げた行政書士事務所が存在しうるのかというと、それは考えられないです・・・、よって、名称として競合してしまって類似性に悩む、ことはめったにないのではないからなのか・・・ということになると考えています。

しかし、都道府県を跨げば、同じ名前の事務所名はあるかもしれませんね・・・。

例えばですが、当事務所が「行政書士石川秀俊事務所」ではなく、「行政書士石川事務所」みたいな名称で登録した場合は、「石川」という当職の苗字が相当ポピュラーな姓ですので、重複する可能性は格段に上がるようには思います。

当職の場合は、ちょっと姓だけを持ちいた行政書士事務所名は避けようかな、でも、姓名とは全く関係のない名称を付すとしても、何が相応しいのやら・・・と思っていたので、比較的安直に「行政書士石川秀俊事務所」という名称にしたのでした。

それでも、これだけであれば、まぁ、それほど他との差別化という意味では(自分自身をブランド化してみようかな、という意味では)功を奏することもないのかなということで、「歌う行政書士®」(登録第6383647号)を商標登録して、相当な意外性と共に名刺でお配りしている次第です。

歌と申しましても、ポップスなどのバンド系ヴォーカリストではなくて、(いちおう)声楽家系を標榜しておりますので、声楽家スタイルでの写真を用いておりまして、当職の名刺をお渡しいたしますと、「なんで蝶ネクタイの写真なんですか?」(実は名刺の写真だけでなく、行政書士証票という身分証明書の写真も蝶ネクタイなんです・笑)とか、「歌う行政書士?どういったジャンルの歌をうたうんですか?」というのは、結構、毎度コメントいただくことではあります。

そして、蝶ネクタイの理由は「声楽やオペラを歌うからなんですよ」というと、二度驚かれるわけです・・・。

そうしたやり取りを通じて、わたくしの存在を覚えていて欲しい、そういったことを意図しております。

もっとも、オペラといっても、わたくしは、オペラ歌手を職業としているわけではありませんで、どちらかというと声楽曲一般(歌曲、童謡、唱歌を含む)をいったところなのですが・・・、それだと行政書士関係の先生方に、なかなか伝わらない可能性もあるでしょうから、「オペラ」ということで概括しております。

(その業界以外の方には、敢えて専門的用語や厳密な術語用法には従わず、ごく一般知識で概要把握できる一言で説明するのが、大事なのかなと思っています・・・それこそ3秒で伝わることが肝要なのかなと。それにこだわっても、正直「嫌味な人だね」終わると思います・・・。)

しかし、「歌う行政書士」は当職の行政書士としてのブランディングであり、当事務所の提供サービスについてのブランディングではありません。

そして業界を俯瞰してみれば、遺言と相続は、超高齢化社会と言われて久しい今日においては、業界的にはレッドオーシャンと呼ばれるぐらい、多数の事業者(行政書士、司法書士、弁護士、金融機関、信託系、一般の会社など・・・)が参入している状況であり、そういった意味では、うっかり他者が権利を有するネーミングを説明会等で使用しようものならば、(もしかしたら)高確率で指摘を受ける可能性があるのかな、と予想しているところです。

特に士業の場合は、各種法制度の遵守が高い意識を伴って要求される業界なのかなと当職は思っております。

当職の持論として、その本業で違反行為や社会的非難を受ける企業や団体は、必ずや凋落の憂き目に会うと思っており(実際それを言い定めているとか、そういった趣旨ではありません・・・思い返せば、過去の社会的現象として、そういうことが多かったんじゃないのかな・・・、と思っている程度の認識です)、それが士業の場合は業域の法令かなと思っております。

本業で違反行為とは、例えば、飲食業界や食品製造業界が食品衛生法等に違反するなど消費者が漠然と期待する食の安全を脅かす行為を行った場合、運輸運送業界が道路交通法違反等により交通事故を行ったなど国民が道路交通について安全性を期待する点について裏切った場合、守秘が大事だとされている業界において守秘が守られなかった場合、その他枚挙にいとまがありませんが、本業以外の領域であれば多少は緩和されるような点があったにせよ、さすがに本業で不祥事があった場合は当該企業等は廃業する可能性が高いようには思ったりします。

といったところで、話が大幅に脱線しましたが、要するに、士業者なのに他人の商標を知らずに使う(商標だけでなく、その他知的財産権も当然含みます)というのは、さすがにダメでしょ・・・、それならば、自分で商標を取得して、その範囲については全く気兼ねなくアピールできた方が良いのではないか、それが、商標出願から10年間の権利維持費用まで含めて数万円で実現できるのだとすれば、まぁ、それは必要経費のうちではないか、と判断した次第です。

実際、「遺言」や「相続」をキーワードにした商標出願は多数行われているように見受けられます(定量的なデータは取得していません)。

まぁ、それでも、ごく一般名詞(あるいは法律用語)としての「遺言」や「相続」という単語を使うだけなのであれば、商標違反リスクは少ないのかもしれませんが、それだとキャッチフレーズが作りづらい、ということにはなりますよね。

「今度、町内会館で遺言書作成に関する説明会を開催いたします!」と書くぐらいなら、「『こころの遺言相続』と題して遺言書に関する説明会を行います!」と書いた方が、ちょっとは印象面でいいのかな?と思った次第です(一般の方であれば、こうしたキャッチコピーなんて、どうでもよいですか・・・?!)。

ちなみに、商標の意味合いとしては、「こころの」という部分なのですが・・・、そこにつきましては個人的な思いを込めていることにはなるのですが、前の投稿記事でも少し記載しておりますけれども、誤解を恐れずに言えば、法律が直接的に人の心まで踏み込んで解決することは事実上大変に稀なことと、当職は考えておりますので、あくまでも人生を経験していくうえでのツールとしての法律に規定されている遺言や相続に対応するうえで、できるだけ人の心という側面にも焦点を当てた対応を当職が心がけたいということと、そういった側面にも気配りのある調和のとれた社会貢献ができればいい、そういった社会を望みます・・・、といったような部分も含めている次第です。

そして、出願商標に関して「遺言」あるいは「相続」だけに単語を絞っても良かったのですが、当職の個人的には遺言と相続は人生の時間的な部分では離れていても相互に関連している対象として捉えている点もあり(ここは、当職のオリジナルというよりは、遺言や相続を手掛ける業界全体の共通した感覚かとは思っておりますが・・・)、敢えて二語が並立的に含まれるように意図したうえで商標出願を試みたものです。

この単語を連結して商標出願するにあたって、弁理士の先生にご相談したところでは、商標上は「遺言相続」は「遺言・相続」とか「遺言や相続」といった語順で扱われる二つの概念を連結して商標として表示しているだけのものなので、要するに権利侵害の指摘対象という意味では「『こころの遺言』及び『こころの相続』」、「こころの遺言と相続」、「こころの遺言・相続」というフレーズは「こころとの遺言相続」と同じことです、という回答でしたので、出願した商標として、例えば「こころの遺言と相続」といったような語順にはしませんでした・・・、ということになります。

さて、今後、どのように出願商標の審査を特許庁にしていただけるのか、楽しみではあります。

ぜひ登録査定をいただきたいと思っております。

ちなみに、商標出願と共に早期審査についても申出を行いました。

商標といいますと、出願から登録査定が出るまでに一年間は優にかかるようなところが実情ですので、さすがにその間当職自身が気をもみつつ待っているのもどうか、という部分(気が短いですね)、それから、当事務所作成の資料上でこの間「™」と表示しなければならない面倒を考えますと、多少、提供役務を行政書士事務所として提供可能な範囲に絞りこんだとしても、だいたいのところ出願内容と実務的な連携関係としては問題はないだろうということで、早期審査を請求することといたしました。

(実は、出願日の同日中に「早期審査に関する事情説明書」の提出は行っております。)

長々と書いてしまいましたが、当事務所は弁理士事務所ではありませんので弁理士業務に属する範囲の対応をさせていただくことはできません(ありません)が、当職は、長らく企業に技術系社員として勤務して知的財産分野につきましても一定の知見がございますので、企業にとって、これらの商標出願の有用性や有利性の一般的な説明程度はさせていただけると考えておりますので、もしもご興味ございましたら、当事務所までお問い合わせのほど、よろしくお願いいたします。

繰り返しとなりますが、商標出願に向けてお客様がご判断にさった後は、実際の出願手続き等につきましては、当事務所から責任を以て信頼のおける当事務所提携の弁理士の先生をご紹介いたしますので、商標出願につきましても、当事務所にご相談いただきましてもスムーズな対応をご提供させていただくことが可能でございます・・・、と申し上げます。

お問い合わせはこちら↓からお願いいたします。

ありがとうございました。