成年後見人の立場・・・

これは、当事務所取扱業務ではない話なのですが、とはいえ、若干、遺言・相続にも関係してくる話ではありますので、ちょっとだけ触れておこうと思います。

なお、決して、成年後見制度や成年後見人、それから成年被後見人やご親族の方について、何かを申し上げることを目的としているわけではありませんので、予め申し上げておきます。

さて、例えば、ご両親のどちらかが成年被後見人となった場合なのですが、現状ですと、法定後見であれば、士業者(弁護士、司法書士、行政書士)、社会福祉士や市民後見人、といった立場の方が成年後見人となることが多いと言われています。

市民後見人を除いた第三者が成年後見人に選任されている場合は、おそらく、毎月あたりの一定額を成年被後見人が支払っている場合もあるようです(いわゆる無資力の方など、例外的な場合を除いて)。

さて、成年被後見人の方のご家族の間で、実は、あまり仲が良くない場合(例えば、両親のどちらかが成年被後見人なのだけれども、その子供たち兄弟が若干不仲であるというイメージ)、成年後見人との接点が特定の方に傾斜している可能性が出てきて、それが、他の成年被後見人の方のご家族からすると心中穏やかではない、といったこともあるようです。

いろいろな状況がありますので、一概には何とも言えませんが、少なくとも成年後見人に就任されている行政書士から聞いたところでは、基本的に、成年後見人は、その成年被後見人の方の財産について、成年被後見人の方のご家族への告知義務といったようなものはなく、それは、つまるところ、親の財布の中身を平常時から見せびらかすのか?ということと同じなんです・・・、という話でした。

その話を受けて、なにせ、ご家族の全体調和を法務サービスによって実現しようと願っている当職にしてみれば、要するに、できるだけ、ご家族(というか、ご兄弟?ご姉妹??)の間では、あまり不仲にされない方が良いのかな・・・ということに思い至りました。

なんだかんだと言っても、成年被見人の方は、成年被後見人の方のご家族からすれば他人なので(親族の方が成年後見人である場合を除きます)、言い方は悪いのですが、いわゆる成年被後見人の方の金庫番をされているような存在であるように説明しています。

ただ、成年被後見人の方のご家族全員と成年後見人の方との人間関係が良好であれば、おそらく、成年後見人の方も金庫番といえども、その情報については公明正大に対応される可能性もあるかも・・・といったところなわけです。

当職は、たまに良く申し上げているのですが、相続人があんまり自己の立場に固執すると、例えば、遺産分割協議や遺産分割調停などにおいて、全体最適からすると、無駄に士業者に報酬を支払ってしまう構図になりませんか?とは申し上げています。

例えば、寄与分の観点で、非常に関心を持たれて無料相談会にお越しになる方も散見されますが(例えば、自分では無い兄弟が親の面倒をみているのだが、将来、遺産分割協議の場で寄与分を主張されかねない・・・みたいな話)、こう申し上げてはアレですが、法律・・・特に民事の当事者間で解決するべきとされている部分に関しては、誤解を恐れずに表現すれば、法律(それから司法)は、正直、関係者間で上手いこと調整してください、という感じの規定となっているため、あまり、自動的に結論が出るようなものでもありません、というのが率直なところなのかな、ということをお伝えはしています。

以上が、何か、関係する皆様のお役に立つことを願っております。

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ありがとうございました。