道路交通に関する安全運転動画を観る機会があったのですが、ちょっと気になったので書かせていただきます。
その動画(製作者は、皆さんご存じの道路交通関係の団体様です・・・もしかしたら警察庁の外郭団体か賛助団体と言っても、あながち失当というわけではないのかもしれません・・・詳細は調べておりませんが・・・)において、住宅地などにある直角に交わる交差点で車同士が交差方向に衝突した、ということで、ドライブレコーダーの画像が表示されていました。
その場面で解説音声が話していたのは、この交差点の場合は、一方には一時停止の標識があって、これを見落としていた側も悪いのだが、他方の運転者も交差点角にいた歩行者に気を取られて安全確認が疎かになっていたため・・・、よって安全確認を十分行いましょう、という説明でした。
当職が感じましたのは、結論としての安全確認をやりましょう、は、その通りです。
一点、この動画で伝えるべきだったと当職が思ったのは、そもそも事故当事者とされた両方の車両(一時停止の標識のある側の道路を進行してきた車両も、その標識が設置されていない側の道路を進行してきた車両も)ともに見通しの悪い交差点を通行する道路交通法令に従っていなかったのではないか?ということでした。
道路交通法第42条第1項「左右の見とおしがきかない交差点に入ろうとし」(いわゆる「見通しの悪い交差点」)の場合は徐行しなければならない、とあり、その「徐行」とは同法第2条第20号にて「車両等が直ちに停止することができるような速度で進行すること」と規定されています。
自動車教習所とかですと、徐行なので歩く速さだとか、10Km/h以下だとか、という感じで説明されるのかなと思っています。
それでは「見通しの悪い」とは、なのですが、前に聞いた話では、交差道路が交差点の端から10m以上視認できる(建造物や植栽などがない)、ということで説明を受けた記憶がございます。
まぁ、ここのあたりは、(法令に純粋に沿った解釈というよりは)説明上のイメージなのかもわかりませんが、要するに、交差道路が交差点の端から10m以上視認できる交差点というものは、平坦な農地などにある交差道路とでも言いましょうか、都市部や市街地では相当限定されるのではないかと思っています。
となると、運転する心構えとしては、とりわけ住宅地のような場所を通行する際は、とにかく交差点毎に徐行を意識して運転しなければ法令上も問題があるし、実際、とてもリスクが高くなりますよ、ということになろうかと思います。
法令的な解釈としては、その「左右の見とおしがきかない交差点に入ろうとし」の意味的には、その交差点に入る手前10mや1mだけでなく、1cmとか1mmの状態であっても、要するに徐行しなさいってことなので、10m手前で「いいんじゃね?」と判断したとしても、それは、刑事裁判的にはあなたの勝手な判断でしょ、という雰囲気にはなろうかと思います・・・(そこの辺りの法令解釈が知りたければ弁護士に相談してみてください)。
まぁ「交差点の端から10m以上視認」の意味合いは、あなたが10m先に進行して交差点に差し掛かったとしても、それでも交通安全は維持できますよね?という意味合いだと思っていますので、法令解釈の真髄は、ここでは脇に避けておいたとしても、少なくとも運転実務からすると妥当な表現だと、わたくしは思っています。
10mといっても、時速30Km~40Kmで僅か1秒後ですよ、1秒間で反応できる(=危険を判断して、制動操作をして、実際に事故にならない地点で制動が完了する、ということです)あなたの自信って、スゴイですね(というか、大した自信ですね、その根拠は物理的かつ合理的に説明できるんですかね、と申し上げたいところです・笑)。
さて、上掲の写真ですが、これは野島橋の野島側の交差点(乙舳町)の写真となります。
当職が常々気にしているのは、野島橋方向の道路と交差する道路には、赤逆三角形で示している通り一時停止の標識が設置されています。
野島橋に至る方向の交差点には一時停止の標識はありません。
野島橋から来ますと、橋の形状として下り坂になっていますので、要するに見通しが良い交差点、というイメージに近くなるようにも思います。
ただし、横断歩道が直進の進行方向に交差して描かれていますので、今度は別の問題、つまり道路交通法第38条第1条に従った通行をしなければなりません(そのうえ、ここは通学路なんですね)。
当職が問題視(懸念)しているのは、黄色矢印の方向(野島公園)から進行してきた車両の運転なんですね。
上述の通り、横断歩道が描かれていますので、当然に道路交通法第38条第1条に従った通行をしなければなりません。
ただ、ちょっと危険場所の察知という意味において注意力や思考力が正直足りていないのかな・・・?と思われる運転者は、この横断歩道上に現に歩行者や自転車がいなければ、あまり速度を落とすというイメージが無いまま、この交差点を走行して通過する場合が散見されるんですね。
ところが、この横断歩道は交差点の角に接するような形で描かれていますので、これまた当然に道路交通法第38条第1条に規定されている「進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車がないことが明らかな場合を除き」という確証が、本当にこの交差点の直前(横断歩道の直前)まで取れないんですね。
だって、今の瞬間は建物で見えていない時点なのだけれど、横断歩道の端まで、あと1mという場所を歩行しているとか、あるいは走っているとか、そういった可能性は少なからずあるわけですからね。
そこまで頭で考えて運転できていない・・・、そういうことです。
さらには、上述の通り、交差点の両端から交差道路の10mが見通せるのかというと、建物が立っていますから、そういった見通しはありません、と断言してよいでしょう。
こちらの画像をご確認くださいませ。
当職の個人的な考えとしては、黄色方向から進行してきた車両に対しても一時停止の標識を設けておくのがいいのかな、とは感じております。
それから、付言しますと、黄色矢印から進行してきて徐行が疎かになっているように見受けられる車両を目撃するケースとしては、どちらかというと週末が多いのかなと・・・つまり、レジャーで野島に来られた方が帰りがけに危険な運転をしているように思えて仕方がないのですが・・・、これは全くの想像の範疇なので確証はありませんが、そのように漠然とではありますが感じております。
といったところから、レジャーで日常生活圏内以外(特に観光地)に車で訪れる際は、お互いに慎重に運転をしたいものだとは思います。
まぁ、レジャーについては、慣れない他人の生活拠点に”お伺い“するわけですからね。
それから、もう一点、冒頭の動画についてコメントをしたいと思いました。
車間距離を取りましょう、は、その通りです。
安全運転の最大の肝は、スピードを控えめに、というよりも、車間距離を取りましょう、ということだと、当職は思っています(もちろん、法令の制限内で、かつその道路状況に応じて出せる最大の速度、という感じでもありましょう)。
あとは、常に細心の注意を払って運転しましょう、といった旨のことを動画の解説音声は述べていました。
確かに、それはその通りです。
ただ、ココの点については、若干、精神論だけれど、人間工学上、それは無理なのでは?(つまり、説明が足りていない)と思ったということを申し上げたいと思っています。
本当に常に細心の注意を払うというのは、イメージ的には、仮免許を取って路上教習が始まった頃とかに感じるようなものかと思うのですが・・・それはいくら何でも無理なように思います。
もっと正確に言えば、気を遣いすぎて疲れてしまう、ということになりませんか、という気がしています。
動画では、その解決策が提示されていないのが、非常に残念に思いました。
その解決策というのは、そう、当事務所の特設サイトで述べている運転手法をとることになります。
自分の車両が常にどういった軌跡を進行するのかが想定できていれば、あとは周囲の安全確認に注意を払えばよいのです。
しかし、現在の自動車教習所で教えられるのは、「はい、前見て~、慣れてきたら、できるだけ遠くに視線をあげてね~」程度の説明でしょう、せいぜい・・・。
それは技能指導員が、何が本質であるかを知らないからです。
また、自動車運転免許試験の技能試験や、技能指導員の検定試験においても、そういった観点での評価はされませんからね・・・。
といったところで、後半は、ちょっと雑な書き方になってしまいましたが、当事務所では、そういった意味では画期的な運転方法(一般道路を走行するための技法であり、サーキット等の特殊な走行は前提としていません)につきまして、誰でも無理なく技能向上が目指せる方法もお伝えしております。
お問い合わせはこちら↓からお願いいたします。
ありがとうございました。