SNSでの広告に関して注意を払うべき点・・・

現代はソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下、「SNS」といいます)で広告することが多いとは思います。

その理由としては、結構な確率で無料サービスが提供されているため、インターネット上のプラットフォームを使って広告するということは、実質的に低廉(もしくは本当に無料)で広告宣伝活動ができるからなんですね。

従来はと言いますと、既存メディア等に広告料として出稿しなければ広告自体ができなかったわけですから、ある意味、小規模事業になればなるほど、低廉又は無料での広告宣伝活動ができるというのは、大変にありがたい話だと思っています。

ところで、先日、見かけた広告事例をご紹介しておきたいと思います。

それは、いわゆる便利屋さんが新規で起業するにあたり、その提供サービスとしてその事業者の自動車車両を用いた送迎サービスにも対応していますよ、といった主旨の内容を記載していたことです。

これは・・・実はもしかしたら必要な許可を得ているのかもしれませんが、実は無許可で行うことは、いわゆる白タクと同じ行為なのでアウトだと思っています。

仮に無償であっても、反復継続的な要素が入ってくると有償の場合と同様に許可が必要になるという認識です。

それが全体のサービス提供メニューにおける一部を構成するものとして送迎を組み込んでいたとしても、その送迎行為自体に焦点を当てて判断されますので、いずれにしても許可を得る案件となるわけですね。

ちなみに、そのSNS上の便利屋さんからの告知としては「大型二種免許を取得しているドライバーが送迎の運転をしますので運転技能面で安心です」旨書いてありました。

もちろん、大型二種を取得しているから普通一種免許だけよりは安心でしょ・・・という点には共感する部分もありますが、逆に言うと、旅客自動車運送事業の許可を得ていない可能性を示唆している、ということにはなるのかな(だって、旅客自動車運送事業の許可を有しているのであれば、普通は広告でそこを訴求しますよね?)、というようにも思ったりしております。

まぁ、旅客自動車運送事業の許可を行政書士が代理申請するって、そもそも行政書士ならではの着眼点ということもありますが・・・当事務所がここで強調しておきたいのは、次に述べる事項となります。

それは、仮にそういった法令上の考慮の足りない広告を行ったとして、結果的にその広告を読んだ人が関係機関に通報するリスクという点を意識されていますか?という部分となります。

せっかく志に燃えて便利屋さんを開業しよう(あるいは開業したて)というその時に、自らの行った広告で牽制されるというのも・・・(牽制で済めば、それでもまだ良かったですね、という話なのかもしれません)、なかなかダメージを受ける状況なのかなと思ったりもします。

かといって、あらゆる角度や自体を想定して、完全に法的に指摘を受けないようなところまで考えるというのも、法的な部分を生業としていない事業者であれば、本当に大変なことではありますが・・・。

いずれにしましても、事業主が広告波及効果を狙ってSNS投稿をしているということは、その反作用として、意図しない形でのチェックを受ける、そのチェックに耐えられる形で事業主として投稿すべき、というのは、事業の大小を問わず、常に事業主として意識しておくべきことであろう・・・そのように当事務所では考えております。

もちろん、それは事業の発展の牽引とは別の要素となるわけですが、事業を安全かつ健全に発展させていくための必須要素として、事業主たるもの意識していってはいかがでしょうか、というのが本投稿で申し上げたい点となります。

法的には、いわゆる違法行為が事実である場合は行政手続法に基づいて行政庁に処分等の求めをすることができる、という規定となっておりますので、こういった点も事業者としては意識されるのが宜しいかとは思います。

え?!それって密告制度・・・?と思われるかもしれませんが、逆に言えば、コストをかけて許認可を正当に取得して維持されている事業者と、一方で正当に許認可を得ずに規制事業を行っている事業者との対比について、どのように思われますか?、それはフェアなことと言えますか?!、ということになるのかな・・・というように当事務所では考えております。

それが非関税障壁の類なのでは?というマクロな観点の議論も呼ぶのかもしれませんが、ミクロの視点では、正当に許認可を得ないで該当事業を行って報道ネタになった場合、普通は最初に許認可を得ていないことに関して社会的な反響を生みますよね・・・!?ということで、まぁ、今の世の中では妥当性のあることとして共通認識を得ているものだと思っております。

いずれにしても、事業主であれば、そういったリスクという存在にも視野を持つ姿勢は大事なことでありましょう。

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ありがとうございました。