事務所用業務記録を残すのも業務のうちと心得ます

他の仕事仲間からは、「そこまでやるのは、ちょっとやり過ぎ(≒手間をかけすぎ)なんじゃね?!」と言われる当職ではあります。

が、予防法務のプロとして、これまで培った二十数年間の会社員経験として、まぁ・・・正直って、何が正しいのかはわかりませんが、概ねざっくりと言ってしまいますと、特に許認可は、あらかた全て公務員文化に適合するように対応する、というのが極意だと思っています。

市民法務はというと、行きつくところは民事訴訟になりますよね。

もちろん、行政書士なので民事訴訟に訴訟代理人として参加することはありません・・・が、そういった訴訟が万一発生した場合のために、予防法務として書面に残しておく、という点については、行政書士として十分配意するべき点だと思っております。

こうした場合に要件事実を書き残すのだろうとざっくり想像しておりますが、まぁ、多少、法律学的にただし表現ではないのかもしれませんが、概ね、下記のような点に気を付けて記載するのが良いのかなと思っているところです。

①当職ではなく、もっぱら第三者(例えば、他士業者・・・もっというと弁護士、それから裁判官など)が読むことを前提とした記載(記述、文体、内容)とする。

②法律上の判断を書くものではない(行政書士が民事訴訟の判決をするようなものでもないし、弁護士のように相手方と交渉をするわけではないから)。ただし、法律上の要件を意識した記述にしておく・・・そうでないと、単なる日記か若しくは法律上価値の無い文章となってしまう。

③個人的な見解・解釈や感情などは記載しない(②と似ているが、これは個人的な日記、感想文、いわゆる学校で書くような作文ではないので)。

④事実について、できるかぎり客観的、具体的、絶対値的な資料的価値に重点を置き、いわゆる5W1Hを十分意識した(というか、5W1Hが不十分であるために、誤解を与えるとか、あいまいな文章を書くというのであれば、それは即ち行政書士としての能力に関わる問題と思っているので)文章とすること。

⑤上記④の事例は、できるだけ例証は多い方が良いこと(行政書士が判断するのではなく、①の第三者が判断する情報なので)、それから、できるだけ些末と思われるようなレベルの記述の方が案外、事実証明の頑健性があると考える(例えば、単にコーヒーに砂糖を入れた、を書くのではなく、コーヒーカップに注がれたコーヒーに最初食卓塩を入れようとして違うことを認識して、入れる前に砂糖壺を手にして砂糖を入れた、とか・・・こんな例示をして何を証明したいのかは、ここでは書きません)。

ということで、実は、当事務所ならではの対応として、ある業務については、特定の条件について、上記の条件に該当するような書面を当事務所内部資料として作成することといたしました。

もちろん、お客様には納品いたしません。

ですが、万一を考えた際に、こうした手を打っておくことで、何か役に立つこともあるかもしれない・・・というのが、予防法務の専門家を称する当行政書士事務所の備えであると思っております。

実は、上記のような文章って、理科系の学校行くと勉強しますね、そう、学生実験や科学論文だったりするわけです!

それ以外にも、技術職であれば、仕様書や試験成績書など、常に仕事で書き続けますよね。

そうしたことが、こんな法律方面で役に立つものであるとは・・・いや、人生に無駄はないものなのだなと、改めて再認識して、これを深く思っております。

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ありがとうございました。