ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書

『歌う行政書士』(登録第6383647号)の経過記録に対して「ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書」が出されていることを知りました。

どうも、いろいろと調べてみると、特許庁の外郭団体で提供している「特許情報プラットフォーム」において、2019年から拒絶理由などの審査経過についても情報が取得できるようになったようです。

それ以前ですと、こういった審査経過の情報は開示されていなかったようで、その時代は、都度、「ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書」により審査経過の詳細を確認する以外に、出願人以外は知ることができなかったようです。

よって、その拒絶理由と意見書の書きぶりを弁理士関連の方が勉強するために、「ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書」により請求することもあったのだとか・・・。

ところが、現在では審査経過も一定範囲は公開されるようになっていますので、そういった意味では、わざわざ「ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書」を出す理由もなさそうかな、といったように思っています。

もともと、登録第6383647号は拒絶理由なども無く、出願人的にはスムーズに登録査定となったという認識でおりますので・・・。

そうなると、本件で「ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書」を行う目的として考えられるのは、出願人(=わたくし)が本人申請として作成して提出した「早期審査に関する事情説明書」の内容を閲覧したいのかか、あるいは特許庁内の書類である「早期審査に関する報告書」を閲覧したいのか・・・、という気がしております(「早期審査に関する報告書」が「ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書」の開示対象なのか正確には知りません)。

早期審査に関する事情説明書」といっても、要するにガイドラインに沿って、当事務所ホームページや、わたくしの行政書士としての名刺に関する情報を提出しただけなのですが・・・。

手数料を支払えば「ファイル記録事項記載書類の交付請求書」を提出することによって、今回どなたが「ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書」を行ったのか、開示を受けられるものだそうです(2年以内)。

でも、これは一般論ではありますが、そもそも「ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書」を提出する際のテクニックとして、本当にこの情報を必要とされている方が別の方に依頼して提出する、そうすることによって、その本当にこの情報を必要としている方に関する情報の開示を防ぐことができるものなのだそうです(まぁ、本人確認を厳格に要するような行政手続きではないでしょうから、そういったテクニックを駆使するというのも、あり得る話だとは思います)。

よって、正直、あまり「ファイル記録事項記載書類の交付請求書」を提出する必要性も薄いのかな・・・という気もしております。

それと、例えばですが、出願人の住所や連絡先に関する、いわゆる個人情報を知りたい、というニーズがあったにして・・・、当事務所の場合は、この登録第6383647号の登録商標『歌う行政書士』について使用と権利を保有している旨を公開しておりますし(ゆえに、「早期審査に関する事情説明書」により早期審査となったわけですから)、当事務所のホームページでは所在地から連絡先に至るまで公開しておりますし、また日本行政書士会連合会のサイトからも行政書士検索により調査することによっても、当事務所に関する詳細情報を取得することは可能です。

あと、これは商標制度の性格上やむを得ないことではあるとは思いますが、登録第6383647号のリンクをクリックして、表示されたサイトページの「登録番号」をクリックして、「公報表示」をクリックして、「PDF表示」をクリックすると、PDF上に出願人の住所が番地まで公開されておりますので、本件に限らず一般論として、商標出願の出願人を個人として行う場合は、その出願人に関する個人情報はダダ漏れとなる可能性は極めて高い制度となっております。(笑)

(ついでに言えば、「登記ねっと」や「登記情報提供サービス」を利用すれば、当事務所に関する不動産登記情報についても、制度上どなたでも簡単に把握することができますね!(笑))

せいぜい、「早期審査に関する事情説明書」の添付資料である、わたくしの行政書士名刺を閲覧できるのかな・・・?(いちおう、「個人の名誉又は生活の平穏を害するおそれのあるもの」は「閲覧及び交付の請求をすることはできません」となっていますが・・・、しかし、PDF公報では出願人住所が願書記載通りに全て公開されているのですが・・・そういった意味では、あくまで一般論としてではありますが、個人情報の保護政策とは生活の平穏にある程度相関性があるのかなとは思っていたのですが・・・かなりフルオープンな制度なのですね、特許庁長官殿!(笑))といった程度の話になりますので、「早期審査に関する事情説明書」で新たに記載されている情報価値といえば、本件に限って言えば、まぁ、正直、わずかなものです。

実際に本人出願をすると、いろいろと商標制度について勉強になるものだな、という事例のご紹介でした・・・。

お問い合わせはこちら↓からお願いいたします。

ありがとうございました。