相続開始後の銀行への対応について

相続開始(どなたかが亡くなりました、ということです)してから、その被相続人(亡くなった方のことです)の通帳などを銀行(信用金庫なども、ここでは対象に含めてください)にて使用しようとすると、その亡くなった事実が知るところとなった場合は、口座凍結の手続きがとられます。

まぁ、銀行側にしてみれば、正当な預金の払戻しを受ける立場の人なのか、そうでないのか、といった相違がわからないので、ある意味当然のことなのかもしれません。

逆に言えば、それだけ預金者の資産を厳重に管理してくださっている証左、といったところかと思います。

ところで、そういった過程を経る前の段階の話なのですが、とりあえず通帳記帳だけでもやっておいた方がいいのかな、というのが、この記事でお伝えしておきたいところの話です。

記帳となりますと、一般論としてはATMで行うことができますので(通帳繰越がATMで可能な銀行と、そうでない銀行とはありますが)、それをされると良い場合がある、といった話になります。

それは、例えば、相続税申告を考えますと、過去数年分の入出金明細(期間的に抜けがなければ、該当期間分の通帳で良いと懇意にしている税理士の先生はご指導くださっています)が手元にあった方が無難、ということになっています。

ただ、上述のように、口座凍結されますと、もう通帳記帳すらできない状態になる銀行もありますので、そうなりますと、入出金明細(口座取引明細)を有料で銀行側に請求しなければならなくなります。

よって、通帳繰越がATMではできない銀行などの場合はその限りではありませんが(ATMで通帳記帳ができないので、窓口で相談した段階で口座凍結されますので)、先ずは最初に通帳記帳してみるのがよいのかも、といった話でした。

また、一定期間記帳されていないと、その期間分がまとめて一行で記載されることもあります。

その期間分については、おそらくご本人が申告するのであれば一定期間内は無料で印字しますよ、という取扱いの銀行もあるようですが、いずれにしても、それはご本人が申し出た場合となるのが前提のようですから、被相続人となっている場合には、口座凍結は不可避かなという状況かと思われます。

それからですが、相続税を申告しますよ!と言っている税理士でも、普段の業務はもっぱら法人相手(法人税、所得税、消費税など)の業務を行っている税理士の場合は、相続税申告について熟知している、というわけではないので(という方が多いんだということであって、別に個別の税理士の話をしているわけではありません、念のため)、ある程度の条件に該当するような方の場合は、相続税申告に強い税理士にご依頼になるのがベターかと思われます。

イメージ的には、医師とて、ごく一般的な街中の開業医の先生が、例えば、大学病院の脳神経外科のことについて熟知している・・・と言うことはないでしょうし、眼科の医師が、内臓系の症状について、大変に詳しいといったことでもないだろう、という話と似ています(もちろん、医学校で全体的な内容については、一定程度に詳しく勉強しているとは思いますが)。

税理士の場合は、税理士試験に合格したとしても、相続税は試験科目として選択せずとも税理士として登録できるようですし、やはり市場の需要と供給の関係で法人相手の業務の方が継続性が高いことなどから、ごく一般的には法人相手の業務を手がけることになる、といったところのようです。

・・・もちろん、繰り返しますが、個別の税理士の話は、それこそ、いろいろな経緯の方もおられるとは思いますので、ここでは、あくまで一般論(統計的な物言い・・・とか、そういった程度の話です)として捉えてもらえますと幸いです。

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ありがとうございました。