冒頭から、なかなか聞き慣れない書き方(えっ?!どういうこと?みたいな)をしてしまいましたが、これは、次のような意味合いとなります。
よく、相談会やご依頼において、遺言書作成について質問やご依頼をいただくことがございます。
ここが少々難しいところなのですが、あらゆる世の中の制度について、ご本人様が十分認識して能動的に対応や行動をされる、というのであれば、そこまで顕在化しないのかも知れませんが、よくあるパターンとしては、周囲の方がやきもきして、それでご本人の気持ちが整っているかどうかはともあれ、先ずはアレコレ行動してみよう!(相談会に行ってみよう、依頼をしよう)、というものがあります。
で、まぁ、結果として丸く収まる場合もあるのですが、時として、その他のご家族から、そもそも遺言書を作成するって意味あるの・・・??という発言があり、結果として、やります/やめます、という議論がご親族の中で湧くこともあるようではあります。
このとき、何を一番大事にしなければならないのか・・・それは、遺言者(遺言を書いて欲しい本人)の意思なんですね。
なにせ、「遺言書とは遺言者から相続人への手紙です」と申し上げているぐらいなので、究極的には、遺言者ご本人の意思以外の何ものでもない、ということにはなります。
ただ、そうはいっても、周囲の方からすると、もしも万一の時が不意に来てしまったら・・・という心配もあるかとは思います。
それも、お気持ちとしてはよくわかります。
とりわけ、誤解されやすいのは「遺書」と「遺言書」の違いでしょうか。
わたくしが普段お世話になっている公証役場の前の公証人の方は「遺言書は御守りのようなものなので、これからもたくさん長生きをしてくださいね」と、遺言公正証書作成後に遺言者にお話されていました。
ここのあたりの相違が、もう少し伝われば良いのですが・・・そうですねぇ、法律上の本当の姿とは相当かけ離れていますが、非常に市民感覚に近い書き方をしてみますと「遺言書とは自分が死亡した後に有効となる契約書のような書面です」・・・、いやぁ~「契約」という言葉を持ち出すと、やっぱりその道の方からお叱りを受けそうなので、「遺言書とは自分が死亡したこと以て有効となるお手紙(言づて)です」というのが、一番実態を表しているかも知れませんね・・・。
いずれにしましても、もしも、周囲の方がご心配になって、遺言者本人に遺言書を書いてもらいたいということであれば、いわゆる遺書なのではなくて、あくまでも、その後のことをどのように整理していって欲しい、ということを書くものなのだ、みたいな説明をして理解してもらう、ということも大切であるように感じております。
それから、いろいろな方やご家族の雰囲気があると思いますから、一概に何が正解ということでもないのですが、もしも、遺言書作成について子などにお話をされることがあれば、その子にも、遺言者本人への説明と同等の説明をして理解しておいてもらう、というのも大事なのかなとは想います。
ただし、遺言書作成に関しては、純粋に自分の意思を書き留めるだけですので、子に予め話す必要性は基本的にはありませんので、あくまでも「もし話題にするのであれば」といった前提の場合には配慮しておいた方がいいのではないでしょうか、といった意味合いとなります。
自分が誰かにお手紙を書くにあたり、予めその人に「手紙書きますから!」とは、通常言わないですよね・・・?!
まぁ、それと似た話ではあります。
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ありがとうございました。