遺言書の「付言事項」について

遺言書に付言事項という法定外の事項だけれども、遺言書中に含めておけるのことのできる欄がございます。

自筆証書遺言の場合は、それこそ、ご自身の判断でアレコレかけるとは思いますが(もっとも、法律で規定ある様式に準拠していることと、法的な効果を生じるのは法定されていますので、単に書けますけれどね・・・といった程度の意味で書いております)、遺言公正証書を作成した場合は、公証人から、そういった事項について何を書くのか(あるいは書かないのか)といった形で質問があるのかもしれません。

当事務所で対応させていただいている遺言書作成支援業務におきましては、この付言事項については必ずお伺いいたします。

一番良いのは、ご自身ですべてお書きになることです。

上記の通り、法定事項ではありませんから、何か法律上の効果を発生させるものではないのですが、それは、あくまで立法上の意味合いであって、当職といたしましては、この付言事項こそが遺言書の最大のポイントだと考えております・・・とまで言い切ってしまいますと、法律家からはアレコレ言われそうなのですが、最大のポイントと言っているのは、法律に必ずしもとらわれない観点で申し上げているわけです。

それは何かと申し上げますと、そもそも遺言書って何のために残すのでしょうか。

そうですね、それは、ご自身が亡くなった後に何かを伝えたい・・・そう、財産をどう分けるとか、身分事項をどうするのか・・・とか、そういった目的はあるのでしょうが、ここで申し上げたいのは、どういった動機で到達点なのでしょうか、という主旨で書いております。

もちろん、遺言書の到達点は人それぞれでしょうが、おそらくほとんどの場合、無目的を目的にしていることではないと思っています。

つまり、それが子供たちの平安を願って、とか、兄弟姉妹への感謝を伝えるとか、いろいろとあるのでしょうが、遺言書を残すということは、周囲の方に一定の意思表示をしつつ、実は、それからの方々の平穏無事を期待する、というのが根底にはあるのではないでしょうか。

もっとも、ご自身の思いが優先となる場合もあるとは思います・・・誰にはあげたくない、誰にはあげたい、というのも一例ではありますが、それでも、いずれにせよ、最低誰か一人には思いを伝えたい、という意図はあろうかと思います。

それは必ずしも周囲全員の笑顔とは異なるのかもしれません。

が、まぁ、例えば、財産分与をする相手方を法定相続人の一部に限定したならば、除外された人にしてみれば面白くない、というのは、致し方のない感情だとは思います。

こんな時に、法定事項以外で、その遺言書の価値を高める・・・これはビジネス的な意味ではなく、その遺言書は、その方に特化した書面なわけですから、上述の通り、その方の想いを伝えられて十分目的を達成させられる、ということなのであれば、それをサポートするのが付言事故う、というわけです。

それなので、付言事項だけは、士業者等に書いてもらうのではなく、できるだけ、遺言者ご本人様が書かれるのが望ましいことであると当職は考えております。

もちろん、文章化が難しい(気恥ずかしい)といったこともありましょうから、それであれば、ご本人の気持ちを士業者にお話になって、士業者が作文した内容について諾否を表明するというのでも、十分方法論としてはアリだと当職は考えております。

とにかくも、その遺言内容が実現されて初めて意味のあることになりますから、それを見届けることない状態になってしまったとしても、今の時点で、お手紙のつもりで書かれることは、当職として心からお勧めする次第でございます。

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ありがとうございました。