自分が出願した商標の縦覧請求をしてみました

また商標ネタで済みません、無料というのであれば、自分でやってみてもいいなと思いましたので実行しました。

ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書」の請求は、前の投稿の通り、商標公報発行から二か月間無料ということでしたので、それであれば、自分自身で請求をやってみて、何が得られるのかという点を確認しておこうと思いまして、実行してみました。

昨晩、前の投稿を公開した後、インターネット出願ソフトを使って閲覧請求をしようとしたのですが・・・。

あまり、こうやるといいよ!とズバリ書かれている記事がなかったので、特許庁が提供しているインターネット出願ソフトのマニュアルや、このインターネット出願ソフトで手続き可能な書類のひな形ファイルを参考に作成してみました。

  【書類名】        ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書
  【あて先】        特許庁長官殿
  【事件の表示】
    【出願番号】     商願2021-013633
  【請求人】
    【識別番号】     720003064
    【氏名又は名称】   石川 秀俊
    【電話番号】     080-2076-7308
    【連絡先】      担当 石川 秀俊

手数料の箇所は、ひな形から削除して作成してみました。

まぁ、構文エラーということであれば、インターネット出願ソフトが送信前にエラー表示するのかな?と勝手に思いましたので・・・。

※おことわり(ここから)

誠に申し訳ございませんが、当事務所は行政書士事務所でして、弁理士事務所ではございません。

従いまして、本投稿記事における弁理士業務の範囲の内容(本投稿記事に限らず、本サイトにおける全ての投稿記事についても同じ)につきましては、弁理士事務所へのお問い合わせをお願いいたします。

本投稿記事に関するお問い合わせもご容赦くださいませ。

また、当事務所の記事をご覧になって、ご自身で独自に特許庁に対して手続きされようとした結果、あるいは同様に手続きされた結果につきましては、当事務所は一切責任を持ちません。

なお、ご希望があれば、提携している弁理士様をご紹介いたします。

※おことわり(ここまで)

今、この記事を書いていてふっと思ったのですが、上記の赤文字箇所は、実はすべて公開されている情報となります。

もちろん、氏名や電話番号は少なくとも個人情報保護法でいう個人情報(同法第2条第1項)に該当するのですが、当事務所のホームページ上では公開している情報ですし、特許庁のサイトでも登録第6383647号の出願届として公開されている状況です。

識別番号も、まぁ、特許庁から通知のあった番号ではありますが、独立行政法人工業所有権情報・研修館様の提供している「特許情報プラットフォーム」(J-PlatPat)で検索をすれば、同様に表示されるものですから、明らかにバレバレってことではないにせよ、少なくとも法的には公開されている情報ということになるのかなと考えています。

ところで、「ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書」の請求をインターネット出願ソフトを用いて実施する場合、マイナンバーカードが必要となります。

そうなりますと、マイナンバーカードに記録されている秘密鍵によりデジタル署名を行ったデータが特許庁に到達するわけですが・・・。

ここで若干の疑問が湧いてきます。

(1)「ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書」の「請求人」の氏名記載文字列と、マイナンバーカードの署名データにおける氏名相当が格納されている情報要素のフィールドの完全一致の判定は行っているのか否か。

(2)氏名に用いられている文字であっても、常用漢字表には該当しないような文字の場合、その完全一致の判定は厳密に行っているのか否か。

(3)「ファイル記録事項記載書類の交付請求書」により交付された書類において、「ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書」が行われた履歴の表示に関する「請求人」の氏名記載内容は、「ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書」の「請求人」の氏名記載内容と、マイナンバーカードの署名データにおける該当フィールドのどちらが表示されているのか。

これは弁理士の行う業務的観点での注目事項ではなく、特許庁が外注先に発注する場合の要件定義書などで、どういった指定がなされており、どういった処理システムが構築されているか、という観点での興味となります。

なにぶん、当事務所はエンジニアが運営している行政書士事務所でございますゆえ、行政書士として業務を行うことのできない弁理士業務の範囲よりも、その業務システムの実装の方が気になるというわけです・・・。

といったところなので、行政書士が勝手に妄想している点はご容赦いただければ幸いです。

以下は、単なる妄想ですので、この点はあらかじめお断りしておきます。

まず(1)について申し上げるのであれば、さすがに「ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書」の「請求人」の氏名記載内容と、マイナンバーカードの署名データにおける該当フィールドの完全一致の判定は行っていない、ということは考えづらいと思っています。

いくら誰でも商標公報を縦覧できるのだ、といっても、さすがに請求書記載の氏名と、リアルな請求者の氏名が異なっているのであれば、これはシステム設計としては相当微妙な気がいたします。

特許庁の窓口で、ファイル記録事項の縦覧請求をする際に、身分証明書などの提示を要求されるのかどうか、が、システム設計を推測するカギにはなるのかなとは思います。

それにしても、そもそも、なぜ「ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書」を送信する前にマイナンバーカードによるデジタル署名をさせているのか、という気がしてなりません。

特許庁の窓口で、ファイル記録事項の縦覧請求をする際に、身分証明書の提示が不要なのであれば、正直、過大な負担を強いているシステムかなという気はします。

なにせ、ちょっと話は違いますが、不動産登記簿に関する証明書を請求する際は、身分証明書の提示は要りません・・・はずです。

といっても、登記ねっとにアカウント登録する際に、確か、連絡先などは登録必須ではありましたがね・・・でも、マイナンバーカードでの自己署名は不要でした。

そこらへん、特許庁の方が、システム要件書を業者に提示する際、何も検討していませんでしたよ、なんてことは・・・さすがにないとは思いたいところですが・・・。

特許庁から業者へのシステム要件書の提示部門が、いわゆる審査官など技術職ではなくて、総務部みたいなところから提示しているのであれば・・・、うーん、どうなんでしょうかね・・・。

あるいは、実はマイナンバーと識別番号のみでマッチングを取っている可能性は十分にあり得ます。

その方が数字列のみの照合のみで済みますので、システム設計としては楽ですから・・・。

ただし、そうなると(1)も(2)も申請書の氏名文字列については照合していないことにはなりますね。

(2)を挙げたのは、以前、特許出願書類等で拝見したことがあるのですが、いわゆる外字相当(代替文字情報)の氏名の文字については、特許届では「▲」や「▼」により識別表示をおこなっていることを見たことがありましたので、そういった文字列がマイナンバーカードの署名データにおける該当フィールドにおいてどのように扱われているのか、という点が焦点になるようには思っています。

特許庁の電算システムの方が、マイナンバーに関する電算システムよりも前に構築されていると思いますので、もしかすると、扱える外字相当の文字列に差異があったとしても、要件定義書作成者やシステム設計者の立場からすると、それは致し方のないことかなとは思います。

まぁ、余計な推測をするのであれば、今後は戸籍や住民票も全部電算化されると思いますので(いや、ほぼほぼされているわけですが、その接続がされていないってことのようでして)、特許届の謎の外字表示も姿を消す可能性はありそうですね・・・。

(3)については、まぁ、「ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書」の「請求人」の氏名記載内容を表示します、という設計が素直なのかな、とは想像いたします。

おそらくですが、特許庁窓口で縦覧していたとしても、その際の縦覧申請書類に記載した氏名を、後で電算システムに投入すると想像できますので・・・。

となると、やっぱり、特許庁の窓口でファイル記録事項の縦覧請求をする際に、身分証明書の提示が必須なのかどうなのか、が、重要な手掛かりになるような気はいたします。

複業先に行くことがあれば、その近所なので特許庁に立ち寄って実際に手続きしてみる、という手もありますが・・・まぁ、そこまでしたいのか、という話かもしれません。

話が大幅に横道にそれましたが、縦覧請求は24時間受付なのに、実際に請求した書類を受領できるのは、特許庁の開庁時間帯+α(午前9時~午後10時)だけなのだそうです。

システム運用の構築の立場から考えると、受付を24時間にしているということは、提供サービスと装置類の正常動作を監視する役割の方が存在しているわけでしょうから、なぜ請求書類の受領が特許庁開庁日の限定された時間帯(午前9時~午後10時)という運用になっているのか・・・本当に謎ではあります。

想像ですが、特許庁の担当者(国家公務員)が夜間も輪番制でシステム監視をするとは到底思えないので、基本的には業者に業務委託、そして、さらに一次請業者から直接か、何段階か経てシステム運用監視業務専門の再委託先が実務運営、というのが実態なのかなと・・・。

特許庁の関係者(国家公務員)については、担当となる管理者等はシステムトラブル時は夜間呼び出し対応付き、なんて体制なのではないですかね・・・?(実態は一切知りません)

まぁ、今どきの社会の趨勢を考えるのであれば、あくまで当事務所の個人的な意見だけですが、インターネット出願ソフトによる縦覧請求も何もかも、特許庁開庁日の限定された時間帯(午前9時~午後10時)という運用でいいのではないだろうか・・・?とも思ったりもします。(確固たる根拠はありません)

いや、ワーク・ライフ・バランスを優先するのであれば、要するに平日午前9時~午後5時のみのシステム運用でいいんじゃないですかね?

確かに出願日付が大事ではあるのでしょうが、その昔であれば、窓口申請あるいは郵便申請だったであろうわけで、当然のことながら郵便が夜間に特許庁に配達されることもなかったでしょうし、特許庁の担当者自身が夜間に特許庁で受付業務をしているとも、さすがに思えませんので・・・。

さすがに婚姻届を役所の警備員室に持参するのとは訳が違うようにも思います・・・。

本当のところは知りませんが・・・。

登記所だと、受付番号の前後で権利関係に重大な問題がでるはずですが、特許の場合は、同日出願の場合であっても、ぶっちゃけくじ引きで決めたという話を聞いたことがあります。

法令上だと、こんな規定になっているようですね。

ここまで特許庁に都合の良い規定にしてある(同日出願で出願人同士がもめるんなら、お前らの出願は全員ダメってことにしてやる!という主旨の規定)のだったら、なおのこと、システム稼働時間は平日午前9時~午後5時のみのシステム運用でいいんじゃないかって思います。

とまぁ、いろいろと商標制度について妄想しておりました・・・。

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ありがとうございました。